小児にみられるアレルギーおよびその対応について
アレルギーという言葉は今ではよく聞かれる病気の一つです。その原因は多岐にわたり、食物だったり、花粉だったりいろんなものが関係していることがわかっています。子供から大人までかかりうる病気ですが、生まれて間もない時期よりも成長の過程で発症することが多く、毎日のケアや服薬などが必要であることが重要です。自然に改善することも多いのですが、中には学童後期や成人になるまで症状が持続する場合もあり、その場合は学校生活や社会生活に影響することが問題になります。
アレルギーの診断については、現時点で確実な検査はなく、特に幼少期の検査の場合は明確に判明できないこともあり、また検査自体が痛みを伴うなど本人に負担がかかる場合があります。ですので、まずは、本人の苦痛を取り除くための治療を最優先とし、経過をみながら治療方針を決定するために適宜検査を行うことをおすすめします。
アレルギー疾患の治療においては、たとえばアレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎などのように眼科医や耳鼻科医と連携をとりながら治療した方が良い場合があります。アトピー性皮膚炎においても、たとえば学童期後期の成人に近い年齢や治療抵抗性の経過をたどる場合などは皮膚科医の先生と連携をとりながら治療を進める場合もあります。
また、原因が多岐にわたるため、単一の治療薬だけではすぐに改善しないことも多く、薬物療法も大事ですが、日常的なケアにより軽減することも多いです。保護者にとっては、継続的な努力が必要とされるため、疲弊してしまって治療を中断してしまう方もいらっしゃいます。その大変さをすべて代わってあげることはできませんが、軽減するための工夫をお伝えし、ご本人、保護者とともに治療を継続して少しずつ治っていく(寛解といいます)お手伝い致しますので、ご相談ください。
院長